ぺんぎんぱんつの公募の回「ぺんぎんぱんつの紙　ジューシー」に載せてもらった連作です。
ぺんぎんぱんつ賞をゲットしてハッピーでした。
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至上の空論

死や愛が詩のあわいには立ち上がりうらやみながらきょうはおうどん

ハムスター一匹を選ぶことできず五匹まとめて買ってくる兄

アイドルのライブも水族館もアイドルや魚と目が合う錯覚で好き

火星人はきっと愛しい数人の地球人のみ見分けるのだろう

感動のフィクションだった　生きているひとが踊りつつ死者を演じて

泣いたかどうか確かめてから妹はじぶんも泣いたと告白をする

正社員よりも正義のヒーローになりたいよハム美、噛まないでハム太朗

家族みんなにちゃんとおんなじ嘘をつく　送る　スカイ・ツリーの写真を

天才の所作でハムスターの手から父がじょうずに奪う灯心

死も愛もいない場所でもわたしたち小さいネズミをたたえたでしょう