#twnovel

ツイッターに書いたツイノベルまとめです。
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授業の前、近所に頭のおかしいおじさんがおってな、って隣の席の女の子に話しかけられる。頭のおかしい、とあたしは繰り返す。そこで授業が始まる。女の子の方を見ると、女の子はニコッと笑って、そのまま前を向いてしまった。頭のおかしい、と声に出さずに繰り返す。
／2009.12.05

人びとの呼気で白くなった電車の窓に子どもがお絵描きをする。子どもは自由らしくあるのが得意だ。腕を伸ばして円を描く星を描く花を描く。鳥を描いて手を止める。白にひかれた透明の線。そこからは外が見えますね何がいますか。（老いたひと！）
／2009.12.14

よく似た子どもたちが一列に歩いて行くのを見た。先頭の子どもは、掌に載せた蝶を落とさないようにと慎重に進む。他の子どもたちは蝶がすでに死んでいると気づいているのだろう。遅い歩みに誰も文句を言わない。蝶の小さく白い羽がときどき風のせいで震える。
／2010.01.10

たぶん夢だと思う。雪だったからベランダに出て踏切見てた。カンカンいう赤い光の中で男女が走る電車に長い電車に雪玉投げつけていてそれも見てた、同時に。踏切なかなか開かないね、男と目が合って、途端に彼、年老いていく。女が叫ぶ。それから？　目を覚ました？　逃げた？
／2010.02.03

今日はとても寒かったので、朝、馬場歩きしながら耳がもげそうだと思っていた。もげはしなかったけどてっぺんの方からピッと避けて、桜の花びらが溢れて溢れてとまらなかった。あわててヘッドホンをして耳を隠す。それでもすきまから溢れだすピンク色で、なんていうか、春だ。
／2010.04.12

部屋を暗くしてパソコンしてたら画面は強く光っていてそこに羽虫がくっつく。飛んで光りに入る羽虫。指の腹で潰したらこれは実際虫じゃない、たぶん文字だ。どこから抜けたんだと手近な本たちをめくる。でも本には文字が多すぎて欠落が見つからん。潰れた文字は死んでしまうし。
／2010.06.05