はいからいおんパート2 城崎にて 忍者ブログ
ツイッターに書いたりして行き場のなかった文たちを置きます。
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どうもこわれてしまったようで街の灯がにじんで美しくしか撮れない

高校時代のなかよしの友だちと三人で大学の卒業旅行に行った二月でした。
行き先は城崎温泉でした。
ツイッターで#BL短歌タグをつけて架空の設定で吟行していたのを物語順に並べます。
お好みの背景を加えてお読みください。
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さむいさむい座席に並び見覚えのない地名たちながれていくね

窓の外をちらつく雪に誓いなんて与えあなたのさみしい背中

ドア開閉ボタン押すのをためらって架空の旅ではどこへでも行け

投歌ポストを見つけたけれどこの旅をどんな種類の詩にすればいい

末吉を引き当て笑うこの恋に深入りするなってさ神様が

しにかけのねずみが川を行くときに石を投げるのを叱ってほしい

もう春は来なくていいと言うひとの比喩をだまってうけとめている

雨降りの温泉街にからからと下駄は歩きにくいからね 手を

頼まれてヘテロ・カップルにシャッターを切るきみの傘ささえてあげる

ぼくたちもおねがいしますと手渡したカメラ 笑って写ろうよほら

身長を補うようにあなただけ一段高いところでわらう

ゆうぐれをすぎて濃紺の世界にカメラを向ける(ふたり、いたのだ)

シャッターを切るたび時間は分裂し可能世界のふたりの笑顔

どうもこわれてしまったようで街の灯がにじんで美しくしか撮れない

雨にはねる湯の表面につきかげのきんのあみきんのあみとらわれる

欲しいものを欲しがらなくてもいいのだと指のすきから逃げていく湯気

こんなにもふたりっきりであることに気づかないふりをして解くパズル

解答を見つけられないままふたり、こたえもどきを生む。つぎつぎに

とおいとおい日の約束はたやすくて嘘をいくつも降らせる夕餉

茶碗蒸しの椎茸を敵と呼び君は敵の生死を僕に預ける

計画的殺人についてニュースキャスターは告げてぼくらはテレビを消した

つよくなる雨音を部屋でききながら後悔したっていい光りたい

あまつぶをのがれるために鯉たちが岩かげに身を寄せている夜

左前に着せあう浴衣この部屋は異界であると仮定しましょう

異界ではすべての倫理が逆を向き(ごっこ遊びの)愛とは——死です

かがり火に揺れるみなものむこう血の代わりに真っ赤な鯉ひるがえり

きっと朝が来ることきっと旅を終えどうしようもなく生きていくこと

オレンジの電球を見上げ核心をはずれた話ばかり選んだ

祈るような沈黙が満ち告げられることを待たずに「おやすみ」を言う

暮らしていたような気もする部屋の鍵をふたりで返しにゆくフロントへ

白紙のままの詩をポケットにひそませてどうして帰り道ってみじかい
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